「コネクテッドパーキング」を率いるボッシュの若きリーダーが見るチームと未来

「コネクテッドパーキング」は、自動車の駐車操作や駐車場探しを自動化する複合的なサービス。世界的にも類を見ないシステムやビジネスモデルがMaaS領域で注目されています。その日本展開を支える若きふたりが、プロジェクトの過程やチームの魅力、そして未来に見据えるものを語り合います。

駐車ストレスを解消する「コネクテッドパーキング」日本チームの誕生

▲駐車場側が『見る』、『考える』機能を果たすコネクテッドパーキング

日々の移動を支える自動車。その移動先で必要な“駐車”にかかるコストについて、意識したことはありますか? 

統計データ(※1)によると、都心部を走る自動車のドライバーは、1日平均20~30分を駐車場探しに費やしていて、駐車場を探す自動車の割合は走行中の自動車全体の約30%を占めます。

無駄な走行は環境にも悪影響があり、ドライバーにもストレスがかかります。こうした課題を解決できるソリューションとして開発された一連のサービスが、ボッシュの「コネクテッドパーキング」です。駐車場と自動車それぞれにセンサーやAIを搭載し、駐車スペースの状況把握と自動車の駐車操作を自動化。スムーズな駐車を実現します。

同サービスは安全性とセキュリティの観点から十分な実用性を持ち、2019年7月ドイツ当局から、自動バレーパーキングにおいて世界初の自動運転レベル4(※2)を認められました。ドイツ・シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ博物館内駐車場では、自動バレーパーキングが実施されています。

駐車場という限定されたスペースでの自動運転レベル4の認可は、今後公道で自動運転実用化に向けた大きな一歩と言えるでしょう。

ドイツ本社で生まれたこのコネクテッドパーキングの日本展開について検討するため、もともと他部署で駐車システムのマーケティングを担当していた山本翔は、市場リサーチから始めました。

山本 「日本は駐車場システムが他国と比べて優れている一方、人口密度に対する駐車場の数が少ない特徴があります。この魅力的な土壌を生かしつつ、コネクテッドパーキングのビジネスを展開することは十分可能だと考えました。
約半年のリサーチと検討を経て、 2017年 4月に企業内ベンチャーのような形でコネクテッドパーキングのチームを結成しました。そのときにエンジニアのリーダーとしてアサインしたうちのひとりが、阿蘓将也です」
阿蘓 「自動運転に知識があるエンジニアとして声がかかりました。自動運転について学ぶため、ボッシュの若手リーダー育成プログラム( JMP)を利用してさまざまな部署を巡っていた私にとって、本プロジェクトは魅力的でした。
コネクテッドパーキングは、技術的な側面でも独自性を持つサービスなんです。自動運転は『見る』、『考える』、『動く』機能から構成されますが、これらすべてを自動車本体に付与することがほとんどです。一方、コネクテッドパーキングは駐車場側自体が『見る』、『考える』機能を行います。
周りの人間が指示を出し目隠しした本人が目的地まで行くスイカ割りゲームのように、駐車場が自動車にモノの位置や状況を伝え、自動車はその情報に基づいて行動することで、正しい駐車スペースに導かれます。自動車が直接知覚できない死角や空間を把握できる自動運転の事例は他になく、おもしろいアイデアだと思いました」

エンジニアチームを率いるリーダーとして参画した阿蘓将也と、セールス・マーケティングのリーダーとしてビジネスサイドを担うことになった山本翔。偶然にも同じ1990年生まれのふたりのリーダーは、信頼できる仲間として歩み始めました。

(※1)参照:APCOA PARKING Study

(※2)米国SAE Internationalによって定義された、自動運転の程度の基準。レベル0(ドライバーによる手動運転)~5(場所の制限なくすべての場所で全システムを自動運転)まで区別されている。レベル4は限定した場所での全システムの自動運転を指し、『コネクテッドパーキング』はその世界初の事例として実用化された。

動物園のようなチームメンバーと共に、新しい価値を発掘する刺激的な日々

▲セールス&マーケティングを担当する山本は、お互いを尊敬しあえる環境が魅力だと語る

コネクテッドパーキングのチームはドイツ、中国、日本の3拠点が主に中心となっており、それぞれのエリアにおいて最適化されたサービスとして開発やアレンジが進んでいます。その日本チームに携わるメンバーは、インターンも含めて8名。ベテランのプロジェクトリーダーが全体を支え、メンバー全員が個々のリーダーシップを発揮しながらプロジェクトに臨んでいます。

阿蘓「タスクを分配するのではなく、全員で共有しているビジョンに向かってメンバーそれぞれが能動的に動いています。時代や環境の変化に応じるための流動性は、私たちにとって恐れる対象ではありません。それをポジティブに受け止め、解決していけるチームですね」
山本 「お互いを尊敬し、刺激をしあえる仲の良い関係を築いています。20〜60代まで幅広い年齢層がいて、なおかつひとりひとりの個性が強いので、まるで檻に入っていない動物園みたいなチームです」
阿蘓「個性という点で話せば、翔は筋トレを欠かしません。日本にとどまらず、ドイツのジムの年間パス会員になっているのを見て、本当におもしろい人だなあ、と(笑)」
山本「そのほかにも歌って踊れる人、マジックが得意な人など多才ですよ。ドイツでは一緒に仕事後に出かけることもありますし、単なる職場の人ではなく、友と言えるくらい距離の近い仲です」

阿蘓 「これだけ仲良くなれた理由は、私たちが少数のチームなのとボッシュが純粋に仕事に打ち込める環境だからかもしれません。
コネクテッドパーキングのチームは新しい価値を発掘するために生まれたので、いつだってゼロベースで物事を考えています。会社のベースとなっている既存事業のように多くのしがらみがなく、少数精鋭でビジネスの成功について考え続けるからこそポジティブでいられるんです」

新しい価値を創出するために、個性豊かなチームの中で、ふたりはどのようなリーダーシップを発揮しているのでしょうか?そこには、それぞれの考えがありました。

自らが描いた働き方を手にし、リーダーとしてその一歩先へ

▲エンジニアチームの阿蘇。リーダーには先を見据える視座が必要だと考えている
阿蘓 「チームには、マネージャーとリーダーが存在すると思います。マネージャーがチームに目を向ける一方で、リーダーはこれから進むべき道を見ているんです。ですから、リーダーは世の中を良くするためには何をすべきか、先を見据えて自分で解釈する必要があると思います。その上で先陣を切るからこそリーダーなんです」

イギリスの大学院修了後、既にあるビジネスに参画するよりも、自動運転といった新しい分野で自分の力を発揮することができると信じて、ボッシュに入社を決めた阿蘓。その思いの根幹には、自分が企業や社会に与える付加価値をより大きくするという目標がありました

山本 「実際に彼はチームに大きな付加価値をもたらしています。エンジニアチームをまとめており、ドイツのエンジニアからも信頼が厚い。彼が話すことでプロジェクトがスムーズに進んでいくんです」
阿蘓 「周囲への尊敬は前提にありますが、ボッシュで最も付加価値を生み出すエンジニアでありたいですね。技術力と行動力をかけ合わせれば、自分がそうである自信もあります……普段は言いませんけれど(笑)」
山本 「得意な点を主張できることが、リーダーシップですよね。リーダーは必ずしもひとりである必要はありません。お互いの得意なことと苦手なことを把握することはチームにとって重要ですから、得意なことを主張してそれを行動に移すことがリーダーシップなんです」

留学後、アメリカ企業にてインターンを経験した山本は、次々と人材が入れ替わっていく人に厳しい企業の在り方に疑問を抱きました。人にやさしく、投資し、育てるカルチャーのあるボッシュに惹かれたという価値観は、現在の個々の強みを生かす働き方に直結しているのかもしれません。

そして、ふたりはコネクテッドパーキングでの経験を生かし、次のステップへと進もうとしています。

阿蘓 「振り返ってみると私は、自動運転のことをもっと知りたいというモチベーションのもとに技術を学び、技術者として仕事に向き合ってきました。
それが今は、少数精鋭のチームでの価値創出にチャレンジしたことで、ビジネスの観点から物事を見るようになったり、組織やチームのことを考えるようにもなりました。技術者という枠にとらわれない新しい視点を持てるようになりました」
山本 「私は逆に、不足していた技術面での知識を吸収できています。また、会社のマネジメントボードに近い人とのやりとりも多いため、働く視点そのものがマネジメント視点に近くなりました。この変化は、今後のコネクテッドパーキングの展開にも生かせるでしょう」

MaaS領域の未来を拓くコネクテッドパーキングに新しい風を

▲ふたりは、注目の集まるMaaS領域で裁量を持って働ける“今”を最大限に楽しんでいる

駐車場を想定したコネクテッドパーキングの技術をもとに、日本チームでは工場内での自動搬送といった物流分野への応用を企画。モノの移動やドライバー不足といった業界の問題を広く解決する手段として、実用化に向けた本格的な実証実験が進んでいます。

日本チームのアイデアによって開発が始まったこの独自技術は、今後世界中の物流業界で利用され、工場システムに大きな影響を与える可能性のあるものです。

阿蘓 「私たちの持つ技術が人々に必要とされているのか、いつも考えます。コネクテッドパーキングが社会課題すべてを解決できるわけではありませんが、移動における課題を改善していくためのひとつの手段として心強い存在でありたいです。
また、今後挑戦を続けていく上で、みずからがリーダーシップを振るって働くことができる今の環境はとても恵まれていると感じています」
山本 「完成車メーカーと 1対 1の付き合いが多かったボッシュですが、コネクテッドパーキングのプロジェクトではこれまで取引をしたことがないような不動産や複合施設といった多様な企業との連携が生まれています。
今後、そうした新しいパートナーと変化をつくり出し、チャレンジを重ねることでの、 MaaSの先駆けとして影響力を持ちたいですね。
そのためにも、前に進むパッションや大胆さをメンバーやこれから加わる仲間とともに大切にしていきたいと思います」

晴れ晴れとした笑顔で、手掛ける事業の未来を語るふたり。先端を走るシステムに貢献する今を、心から楽しんでいます。

ふたりのように未来への視点を持ちながらリーダーシップを発揮できる人材と共に、ボッシュは社会課題や時代のニーズを解決する技術やサービスを提供していきたいと考えています。大胆さや視点を生かしたい仲間をボッシュでは求めています。

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