お寺を支えることで「幸福のよりどころ」を創造する──創業15年で見いだす希望

エータイは「人と人の心のつながりをサポートし、社会のこころを豊かにする」を企業理念とし、寺院のコンサルティングを行い、2019年で創業15年を迎えた。少子高齢化にともなって多様化する「お墓」への需要に、どのような価値を提供していくのか──エータイ全体会議を通して、会社のこれまでとこれからに迫る。

供養という文化を廃れさせないために──「永代供養墓」という施策

家から個へ──2019年現在、核家族や独り身世帯が増え、家族の形が大きく変わり、日本は多死社会を迎えている。多死社会、少子高齢社会は、必然的に死と向き合う機会を多く生む。

そんな中、お墓の問題に直面する人が増えている。田舎のお墓をどうするか悩んでいる人、継承者をどうするか悩んでいる人、維持管理の費用と手間に頭を抱えている人……現状のままでは供養が“大きな手間”になり、廃れてしまう。「お墓」「お寺」そのものが変化を迫られているのだ。

そういった問題と真っ向から向き合い、“負担のない”永代供養墓運営の手助けをしているのが、株式会社エータイだ。2019年で創業15年を迎えたエータイが展開している事業は、寺院コンサルティング。お寺が上手にお墓を運営するために、多角的な施策を行っている。

お墓の運営については、墓地の空きスペースに永代供養墓を建立することで収益を改善するなど、お墓に対する価値観やニーズに合わせたプランを用意している。また、お墓の管理や、案内から納骨、法要のご予約までお寺のツールとなって対応し、さらにアフターケアも徹底している。

そして、お寺自身の発信力強化もサポートしている。ホームページ作成から始まり、パンフレットや広告──プロモーション動画を「永代供養墓普及会」のホームページやYouTubeに掲載することまで。現代に即した“発信”をプランニングしているのだ。

このように手厚いサービスを行っているのはひとえに、お寺と地域の活性化のため。だが、それでもまだ十分でないとエータイは考えている。

これからのエータイのビジョンと施策とは──。

業態を変えても、次世代に夢と希望を

▲代表取締役会長 樺山伸一

寺院を通して、日本の幸福を創生することをミッションとするエータイ。それだけの大きなことを成し遂げるためには、やはり社内の足並みをそろえることが必要不可欠だ。ビジョンとミッションの共有のために、2019年9月30日、東京都千代田区如水会館を会場に、エータイ全体会議が行われた。

冒頭挨拶は、代表取締役社長から代表取締役会長に就任した樺山伸一から始まった。伸一がまず語ったのは、なぜエータイが現在の業務に携わるようになったのか、ということ。

前身である株式会社日本クレーベストは、浄水場の汚泥再生(=埋設用粒状改良土の製造)プラント建設を主力事業としていた。しかしその3年後、社会慈善事業の一貫で取り組んだ永代供養墓事業を主軸に転換する。

「永代供養墓」という一般墓地とは対極となるお墓の存在については、以前からあったものの、当時はまだまだ社会的に認知されておらず、永代供養墓の対象者は経済的な事情で一般墓地を建てられない方や、家族がいない独り身の方だった。

そこで伸一は思った──「この事業を広げれば人の助けとなり社会に貢献できるのでは?」と。また、お墓の運営は法律により宗教法人と行政にしか許可がなく、イノベーションがなかなか起こりにくい分野でもあった。伸一の胸には常に「誰もやっていない新しいビジネスをやろう」という強い想いがあり、その気持ちが事業転換を後押しした。

めまぐるしく変化し予測できない時代の中で、業態を変えつつもエータイは前に進み続けてきた。それは需要に応え続けるための堅実な歩みであり、これからも続いて行くのだと伸一は結んだ。

伸一 「次世代に夢と希望を与えられる企業でありたいですね。そのためには常に成長し続けていかなければいけないなと。具体的には経常利益プラス 15%成長を目指しています」

「オンリーワンの企業になるために」求められる変化と改革

▲代表取締役社長 樺山玄基

会長挨拶を受けて、代表取締役副社長から代表取締役社長に就任した樺山玄基より、コーポレートストーリーの発表があった。

玄基が語ったのは高齢化社会の現状について。総務省の統計によると、2065年には65歳以上の総人口割合が38.4%、約2.6人に1人が65歳以上の高齢化社会を迎える。そんな時代背景から、永代供養墓の需要は高まってゆくはずだが、それは多様化するニーズに対応していかなければならないことも意味している。

お墓が社会インフラであると捉え、これまで時代に即した形でニーズに応えるということを徹底してやってきた。ただ、これからさらに「超高齢社会」という社会へ向かい、その歩みは早くなる。それに向き合っていくためには、さらなる変革が必要であり、以前よりも、より効果的で、より社会に適したサービスを意識したいとエータイは考えている。

個人商店からの脱却元年。創業当初は数名から始まったエータイではあるが、今やその規模は80名にまで拡大。5年後10年後の変革量を見据え、これから能動的に改革を遂げていくことが必要なのだ。会社としての大きな転換期を前にして、玄基は意欲的だ。

玄基 「今後は社員一人ひとりが主体性を持ち、プロフェッショナルな実力が発揮できる組織にしていかないといけないな、と考えています。もちろん足並みをそろえた上で、ですが。そのために私が中心となって統率を図っていくつもりです。オンリーワンの企業になるために、できることはやっていきます」

日本の幸福を創造する、「堅実な歩み」はこれからも

そして会議で出たのは、「お寺とお墓」の話だけではない。「日本の幸福」という大きな問題にまで話は及んだ。

日本はだんだんと幸福でなくなっている──そんな驚くべき事実がある。2019年3月20日「世界幸福度報告書」国連の発表によると、日本の順位は58位(156カ国中)。この3年間、徐々に順位を下げているのだ。

インターネットの発達によるコミュケーションの希薄化や、VUCA時代※の到来による競争社会の激化。さまざまな要素から不安感情が膨らみ幸福度が低下している背景が、そこにはあった。そんな時代の中でエータイは考える。人の心のよりどころがなくなっているのではないか、と。

だから、先が予測できない「VUCAな時代」を乗り越えるために、エータイが掲げるのはお寺の再定義──つまり、「人の心のよりどころをつくる」ということ。こんな時代だからこそ、みんなで寄り添い合うことが大切なのだとエータイは捉えているのだ。

だが、「なんでよりどころがお寺?」と不思議に思う人は少なくないだろう。現代はお寺といえばお墓参りや葬儀・法事など、特別なときに行く場所というイメージが強く、遠い存在となっている。しかし、もともと寺院は文化と社会の関わりの中心であり、「寺子屋(学校)」「子供の遊び場」「相談できる場所」、加えて役所の機能を携え、人が集まる身近な場所となっていたのだ。

それだけではない。寺院は全国に77,000カ寺ほど存在しており、実質機能している寺院は7割ほどではあるが、それでも53,000カ寺と非常に多い。これは全国のコンビニの店舗数、57,000件に匹敵する。それをしっかりと活用できたなら──。

お寺とお墓を通して、日本の幸福を実現する──そんな夢と希望を次世代へ与えるための堅実な歩みは、これからも続いていく。

※VUCAとは:「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭文字をつなげた言葉

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