人生の大きな選択を支える仕事に関わって。ベテランアシスタントが語る仕事への信念

障がい者専門の転職サービス「atGPエージェント」では、法人営業とキャリアアドバイザーが顧客と向き合い、採用決定につなげています。アシスタントの川口和花子と関口桃子は、サービスを支える、まさに “縁の下の力持ち” のような存在。幅広い業務を質高く務めあげる彼女たちの、プロフェッショナリズムに迫ります。

「障がい者雇用って、何?」 仕事の原点は疑問と興味から

ゼネラルパートナーズ(以下、GP)は2003年の設立当初より、障がい者専門の転職支援を行っています。2019年10月現在は「atGPエージェント」というサービス名で、年間約500社、障がい当事者約1,000名(※)の採用決定に貢献。業界のパイオニアとして、サービス開始から累計で6,000名以上の方の転職をサポートしてきました。

サービスの裏では、法人顧客に向けての提案やコンサルティングを行ういわゆる営業担当(クライアントパートナー、以下、CP)と、障がいのある求職者の方一人ひとりに合わせて、仕事選び・企業選びをサポートするキャリアアドバイザー(以下、CA)が、企業・求職者それぞれを担当し、マッチングを行っています。

彼らの業務は求人開拓から入社後フォローまで多岐にわたります。そして、その幅広い業務をサポートするのがアシスタントの役割です。川口和花子は2013年から大阪の関西支社で、関口桃子は2016年から東京本社で、アシスタント業務に従事してきました。

川口 「産休が明けるギリギリのタイミングで、派遣会社から紹介されたのが GPでした。母親が長年生活支援員を務めていたことと、自分自身も前職で派遣会社のコーディネーターを務めていて、障害者手帳を取得している方にお仕事を紹介できなかった経験から、入社を決めました。今は 40名近くの社員が在籍する関西支社ですが、私の入社当初は 10名もいませんでしたね。大きいオフィスに移転したばかりで、とても広かったのを覚えています」
関口 「私は保育園の激戦区に住んでいて、仕事をしていないと保育園に子どもを預けられなくなる、という焦りを感じていたときに GPを知りました。求人サイトで発見したのですが、そこで初めて『障がい者雇用』という言葉を知ったんです。
自分の周りでは障がい者との関わりが当たり前のようにあったので、働けているのは当たり前ではない、ということに衝撃を受けました。『障がい者雇用って、何?』という疑問から、今の仕事はスタートしましたね」

入社後はふたりとも引継ぎや多くの雑務に追われ、バタバタしていたと言います。業務に慣れ、ほかにもアシスタントが入社し、ようやく落ち着いたのがつい最近のこと──。そう話すふたりですが、直近1~2年以内に入社した社員が多いGPにおいて、彼女たちは“ベテラン” とも言える存在です。社員からの信頼も厚い仕事ぶりの背景には、どのような経験があったのでしょうか。

※:2018年度の実績

「やってみたい」から「やりたい」へ──“サポート”に徹するふたりの信条

オフィス移転という大きな出来事の直後に入社した川口が最初に務めたのは架電業務でした。周囲もバタバタする中、指示もあまりなく、とにかく電話を掛け続けた3カ月間。子どもの入院などのアクシデントが重なりながらも、業務の融通が利く環境で仕事と育児を両立させていきました。

川口 「前職・前々職も人材紹介サービスに従事していましたが、障がいのある方をサポートできなかったので、今回の転職を機に挑戦したいと思いました。電話を掛けるのも好きな仕事のひとつ。徐々にやるようになった支社総務の仕事も自分に向いていると思えて、『やってみたかった仕事』が『やりたい仕事』に変わっていきました。
実は派遣で入社してから一度任期満了となったのですが、その後に求人媒体から再度応募して現在も契約社員として働いているんです。転職支援サービスの最初のステップである電話ヒアリングを関西圏の登録者の方に行い、サービスをご案内する業務や、関西支社の総務全般を担っています。
サービスにおいても支社内の職場環境においても、自身の役割に対してパフォーマンスを最大にすることを心がけながら、なおかつ他の社員が働きやすいように務めています」

一方で関口は障がい者雇用について何も知らない状態で入社し、就職の大変さに直面して驚いたといいます。

関口 「障がい者も当たり前に働いていると思っていたので、仕事を探すのはこんなに大変なんだ、とびっくりしたことを覚えています。 私が主に担当している業務は CPが担当する企業への書類提出なのですが、働く中で感じたのが『書類では伝わらない良さがある』ということでした。
CAさんの話を聞いたり、情報を見たりしていく中で『直接会ってもらえたら印象が変わりそうだ』と思うこともあり、人柄や雰囲気など、書面だけでは判断できないこともあるのだと思ったんです。これをきっかけに、私自身も提出先の企業を見たことがないことに気づいて。
そして、 2018年の夏に企業訪問に同行することを決意します。普段は PCの画面上で見るだけの企業情報を実際に自分の目で見られたことに、大きな価値を感じました。就職したら候補者様がどんな環境で働くのかなど、想像を膨らませることで多くの気づきを得ることができたんです。
また、これまで以上に丁寧に企業情報を見て仕事をするようになりました。アシスタントという立場などから一線を引く気持ちも以前はあったのですが、今は多くのお客様が少しでも可能性を追えるように、全体の状況を見て業務を組み立てています」

1本の電話、1枚の書類が、人生を決める

数々のお客様対応を行ってきた川口ですが、とくにGPの存在意義について考えた、印象的な出来事があるといいます。

川口 「とある事故の被害者側、加害者側、どちらの方も同時期に電話ヒアリングしたことがあるんです。ひとりは被害者側で、事故が原因で精神障害を発症された方、もうひとりは加害者側で、事故発生後に被害者の方の対応をする中で、精神障害を発症された方でした。ひとつの事故がそれぞれの人生を変えてしまった。
それについて代表の進藤均と『 GPはどちらの立場の人もサポートできればいいよね』という話をしたんです。 このように、 atGPエージェントに登録されているお客様一人ひとりに、さまざまな背景があるんですよね。そんなお客様と GPの接点となる電話での話し方・声の出し方は、非常に奥が深いな、と思います。顔が見えない分できる限りいい声でお話しできるよう、視覚障害のある方のための音声ボランティアに参加し勉強したこともあります。
時にはクレーム対応を行うこともありますが、どう話したら落ち着いていただけるのかよく考えて、言葉を選んでいますね。ただ話し方だけでなく、サービスの進化によって解決できるようになったものもあります。たとえばエージェントサービスではご支援できない方にも、メディアリニューアルによって別の案内をできるようになりました。 GPの情報から何かの糸口につながる、そんな対応ができる存在でありたいと思います」

関口は自分自身の体験が、お客様に重なることがあると話します。

関口 「自分もシングルマザーで幼い子どもを抱えながら、仕事探しに苦労しました。だから同じ経験はしてほしくないという気持ちが、どこかあるのかもしれません。書類作成ひとつとっても、『この選考で仕事が決まるかもしれない』と考え、一生に一度の機会を預かっているんだという意識を持っています。
なので応募書類の誤字脱字などの確認作業のような、細かく時間のかかる業務も怠らないようにしています。確かに校正の時間はかかりますが、候補者様の人生が、その書類で決まってしまうかもしれない ──そう考えると手は抜けません。また、企業のご担当者様はお忙しい中でお一人おひとり丁寧にご確認くださっている。
ちょっと時間をかけるだけで企業様・候補者様の書類選考の機会をより良くするお手伝いができたらと思うと、やらない理由はないんですよね」

ふたりの仕事の背景にあったのは、それぞれの経験から抱くお客様への想いと、自ら考え行動する姿勢でした。

「やってみよう、楽しもう」という言葉を胸に、変化する環境でさらなる成長を

2017年1月に第二創業期に転換したGP。コーポレートロゴ、企業理念であるCREDO、社名以外のほとんどが大きく変わりました。変化する社内について、ふたりはどのように考えているのでしょうか。

関口 「第二創業期になったのは、私がまだ入社して 1年目のころ。なのでそれまでの GPを深く知らないこともあって『あ、 GP変わるんだ~』くらいの印象でした。第二創業期になって 2年以上過ぎましたが、以前より社員が自分のやりたいことをもとに行動しているように感じています。
たとえば候補者と企業の接点となる面接会も、社員が意見を言い合って、一人ひとりの想いを踏まえてどんどん新しくなっています。シングルマザーを支援するエスママが始動したことも印象的です。発言しやすい社内環境に変わっているのかもしれませんね」
川口 「私は最初、『変わっていくことになじめるのかな?』という不安がありました。でも今は『とにかくやってみよう』と考えることができてきたかなと。どうせやるなら楽しまなきゃ損ですよね。『やってみよう、楽しもう』という CREDOの言葉に共感してやってみたら、仕事でもプライベートでも意外と楽しかったんです」

子どもへの声掛けにも「やってみよう、楽しもう」という言葉が影響している、と話すふたり。自身がこれからやってみたいことについてこう話します。

関口 「もっと CPに近い CPアシスタントになりたいと思っています。 CPが企業訪問に行っているときに CAに質問されても応えられるような……外出の多い彼らに代わって、社内を守れる存在でありたいですね。 GPの皆さんはイチ企業、イチ候補者のために優しい人たちばかりだと感じます。それでいて冷静で、失敗しても反省しながら次の打ち手を考えている。私もそんな人になりたいです」
川口 「サービス登録者の中には、まだ GPではご支援できない方もいらっしゃいます。たとえば 5年前は HIVや関節リウマチなど、免疫の異常が起こる免疫障害や精神障害の方に対しては求人数が少なく、ご支援できない状況でした。
しかし、今は少しずつですが求人を紹介できるようになっています。これからも、まだご支援できていない方をはじめ、もっと多くの方に、サービスを提供できるようにしていきたいです。また、サービスの案内以外にもご支援していければなと思っています。
実はお電話口で障害者手帳の取得方法を聞かれることもあって、お客様の困りごとなんですよね。まだすべてのお客様の要望にお応えできず、至らない点もありますが、障がいに関する相談窓口としてお客様の期待に応えられるようになりたいです」

社会問題解決とビジネスの両輪を回していくソーシャルビジネス、ビジョンの実現や事業の継続は、簡単ではない状況にも直面します。そのような中で川口や関口のような一人ひとりの行動が、会社の歩みを支えていくのは間違いありません。信念を忘れず仕事に励むふたりの姿は、今日も頼もしく輝いているはずです。

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