“お客様と会話ができる場所”コールセンターの枠を越え、新たな価値を提供し続ける

2019年現在、ショップジャパンのコミュニケーションセンターは北海道札幌市内にあります。2006年の立ち上げ当初から現在まで、一貫して運営に携わる、コミュニケーションセンター センター長の八倉巻徳佳に迫りつつ、その歴史と進化を振り返ります。

お客様と1対1のコミュニケーションができるコールセンター

▲札幌コミュニケーションセンター内部

2006年10月にコミュニケーションセンターの立ち上げメンバーとして入社した八倉巻は、一貫してコールセンター業務に携わっています。

八倉巻 「入社前は営業職をしていました。まったくの未経験のまま入社したのですが、今でも業務を続けているのは、コールセンター業務は奥深く、追求しても追求してもチャレンジすることがたくさんあるからでしょうね」

抱えているコミュニケーター(お客様のお電話対応を主業務とする担当者)は常に約400名前後。場所を構えることはコストと捉えられ、代行会社などにアウトソースする企業が多い中、ショップジャパンはコミュニケーションセンターを、創業当時から自社で運営しています。

その理由には、ショップジャパンの商品の多くは、テレビショッピングやショッピングサイトなど、いわゆる“通販”での販売が多いことがあります。そのためお客様と1対1のコミュニケーションができるコールセンターを、とても大切にしているのです。

“お客様とコミュニケーションをするための大切な場所”という意味をこめて、2017年より名称を「コミュニケーションセンター」に変更しました。

八倉巻 「一般的にコールセンターと聞くと、テレビショッピングを見たお客様からの注文のお電話に、機械的に対応する場所というイメージを持たれることがあります。しかし、ショップジャパンのコミュニケーションセンターはコールセンターを “お客様と会話ができる場所 ”だと考えているんです。
お客様との会話は注文のお電話だけではなく、商品の使い方に関するお問い合わせや、不具合に関するお電話などさまざまなものがあります。それをタスクとして “処理 ”するんじゃなくて、声に耳を傾けて “会話 ”をすることを大事にしていて。
もちろん聞いただけで終わってしまっては意味がありませんから。いただいた貴重な意見を、商品やサービスの改善に生かす “VOC(Voice Of Customer) ”という取組みも行っています」

お客様からの「生の声」一つひとつに向き合って

▲コミュニケーションセンター センター長の八倉巻徳佳

“VOC”とは、ご要望やご意見など「お客様の声」を真摯に受け止め、継続的に商品やサービスの改善に努めていく活動のこと。コミュニケーションセンターのメンバーを中心としたVOCプロジェクトが、お客様との各タッチポイントでいただいたご意見やご要望を、社内の商品担当、品質管理、サービスオペレーションなど関連部署でスピーディーに共有して協議し、商品やサービスの改善に取りかかっています。

特にお客様とのコミュニケーションの中でいただく「生の声」がとても貴重で、つい最近では、お客様の声からリニューアルした商品もあります。

八倉巻 「『クッキングプロ』という商品は、材料を入れてボタンを押すだけで、本格的な料理が完成する電気圧力鍋です。前身の商品は、全世界で 90万台の出荷実績を持つ電気圧力鍋『プレッシャーキングプロ』という商品で、もともとイギリス生まれのこの商品を、日本のお客様のご要望に合わせて、『炊飯』に関する機能を改善しました。
具体的には、炊いたお米がこびりつきにくい内釜コーティングへ変更し、さらに水分量目盛を搭載することで、より簡単に炊飯ができるようになったんです。
ボタンも見やすく、押しやすいデザインに変更し、操作性を向上。さらにスロー調理機能を新たに搭載し、 1台で 8通りの調理を行うことができるようにしました」

お客様の声をもとに改善するのは、商品だけにとどまりません。商品の操作方法がわかりづらいというご意見には、取扱い説明書のデザインを工夫したり、運動初心者の方がさらに安心してフィットネス商品をお使いいただけるようサポート品を開発したりと、ご意見からの展開先はさまざまです。

八倉巻 「細かいリニューアルと思われることもあるかもしれません。しかし、商品をお使いいただいたお客様だからこそ気づくポイントは多いんです。ショップジャパンは商品を売って、そこで終わりといったビジネスはしません。お客様に使い続けていただかなければ意味がありません。そのために、小さなリニューアルかもしれませんが、改善を続けていくために、いただいたご意見一つひとつに向き合っています」

時代の変化に合わせて、コミュニケーションセンターは進化し続ける

▲コミュニケーターのお電話対応の様子

2006年にオープンした札幌コミュニケーションセンターによって、日々コミュニケーションの幅は広がっているそうです。

八倉巻 「コールセンターから『コミュニケーションセンター』に名称を変えたのは、お客様とのタッチポイントは何も電話だけには限らないと思ったこともあります。たとえば、時代の流れに合わせてメールやチャットでの対応も始めました。そして、 Face to Faceでのコミュニケーションにまで広がっています」

以前、コミュニケーションセンター内で集音器「楽ちんヒアリング」の販売会を実施したときには、コミュニケーターが接客を行いました。センター内に限らず、イベントにブース出展した際や、今後はShop Japanららぽーと湘南平塚店でのお客様対応も行う予定です。

また、ラジオに出演し、商品のPRを行うこともあり、活躍の幅はどんどん広がっています。

八倉巻 「コミュニケーターは、お客様のあらゆるお電話に対応する顧客対応のプロであり、商品の熟知者でもあります。そして何よりもショップジャパンのことを好きなメンバーが集まっています。ショップジャパンの商品をどうすればさらに魅力的にお客様にお伝えできるか、真剣に考えているんです。自らの発信で新たな企画が立ち上がることもあります」

たとえばコミュニケーターが日々お客様からいただくお声をもとに、手づくりのレシピ集をつくったり、商品の使い方を楽しく紹介するYou Tube動画の企画・出演・編集を一貫して行ったり、精力的に活動してきました。

八倉巻 「ショップジャパンには、もともと既成概念にとらわれず、チャレンジすることを認める文化があります。もちろん、応答効率(お客様からの入電数に対する応答数の割合)をキープし続けるなど、ベースとなるコールセンター業務の質は下げてはいけません。しかし、もっとこんなことをしたら良いんじゃないか、おもしろいのではないかというポジティブなチャレンジは極力受け入れるようにしています」

お客様に一番近い存在だから、お客様が求めている、「お客様ファースト」な企画が生まれてくるのだと言います。

八倉巻 「新卒社員は必ず、コミュニケーションセンターで研修を行います。それは、お客様視点の大切さを学んでほしいからです。現在、東京オフィスで活躍しているマーケティングやチャネル責任者は、コミュニケーションセンター出身者が多く在籍しています。商品企画や広告展開をする上でお客様ファーストで考えなくてはならないので、コミュニケーションセンターでの経験が役に立っています」

チーム制の導入、AIの活用──今後の展望と想い

▲コミュニケーションセンター内にあるキッチン・カフェスペース。ここから新たなアイデアが生まれることも

コミュニケーションセンター全体の人数は、現在約480名。ショップジャパンの中で一番大きな組織です。この規模の組織をまとめることに苦労したと言います。

八倉巻 「一番大変なのが、情報共有です。人数が多いことも関係していますが、それに加えコミュニケーションセンターは 24時間、 365日フル稼働なので、シフト勤務体制で社員が行き来しています。
本来は、メンバーみんなに情報を渡していきたいのですが、シフト勤務体制で動いているため、又聞きの又聞きになって全然違う内容で伝わっていたり、またはまったく情報が共有されていなかったり……こういうことが起きてしまうと一体感を醸成することが非常に難しくなります」

その課題を解決するため、チーム制での業務体系が導入されることに。

八倉巻 「センター内ではいくつかのチームに分けています。チームリーダーに情報を落とし、彼らからメンバーに伝えていくことで、情報に格差がないよう工夫しているんです。このチーム制はモチベーションの醸成にもつながっていまして。数項目で評価する表彰制度を導入し、チームごとに競い合っているのですが、そうすることで仲間意識も芽生えますし、表彰されたチームは感嘆の声で盛り上がっています」

このように、チーム制を導入したことによって、メンバー間での情報共有が確実に行われるようになっただけでなく、結果的に、社員のモチベーション向上という効果まで得られたのです。

従来のコールセンターの枠を超え、活動の幅が広がっているコミュニケーションセンターですが、八倉巻が感じる課題とはなんなのでしょうか。

八倉巻 「現在、コミュニケーションセンターは、チャネルのひとつとして存在しています。お客様からせっかくいただいた入電を取りこぼすことないよう、そしていただいたお電話を必ず受注へとつなげられるよう、さまざまな施策を行っています。
そのひとつが AIの活用です。商品の詳細説明が必要な商品については引き続きコミュニケーターが対応し、受注までのオペレートの時間がそうかからない商品については AIが対応するなど使い分けをし、オペレーション効率の向上に貢献しています。
しかし、 AIはコミュニケーターのように、お客様のニーズをくみ取り、シリーズ商品の提案などはできませんので、どうしても対応の質に差が出てしまうんです。今後はテクノロジーを活用して、AIの精度を高め、コミュニケーションに差が出ないように改善していきたいですね」

ショップジャパンにとって、コミュニケーションセンターは「心臓」と言っても良いほど、重要な役割を担っています。これからも、既成概念にとらわれない新たな施策を生み出し、お客様に価値を提供していきます。

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