横浜F・マリノスのスポンサー担当として気づいた、ファンに寄り添う難しさと喜び

2018年2月からオウルテックが横浜F・マリノスのスポンサーになり、1年が経とうとしています。担当者である安藤省吾が「マリサポ1年生」として活動する中で得たのは、サポーターに寄り添うことは、ものづくりをする上で大事なユーザー視点に立つことと同じだ、という気づきでした。

F・マリノスのユニフォームの腰にオウルテックロゴが大きく入った!

▲ホーム開幕戦が「Owltech DAY」として開催されました

私は横浜生まれ横浜育ちの41歳、4歳の女の子のお父さんで、会社ではアンディと呼ばれています。オウルテックの広報とオーディオの商品企画を担当しています。オーストラリアにワーキングホリデーで滞在&留学した経験があり、オーストラリア人のアンジ・ポステコグルー監督とは何か運命を感じています。

2018年の12月に横浜F・マリノスの最終戦を観戦するため、社長の東海林に呼ばれて社内の数人と共に来賓席で観戦しました。そのときはまだ、スポンサーになるとは聞かされていなかったのです。

その後、オウルテックの広報としてスポンサー活動をするよう命じられました。それからは「サポーター」として与えられた仕事をきちんとこなそうと、「スポンサーとは何をするのか」について書かれている本を読みあさりましたね。中でも、石井和裕さんの『サポーター席からスポンサー席から』と、佐藤尚之さんの『ファンベース』が参考になりました。

どれだけ本を読んでも、実体験では「沼」にハマってしまいましたが……。

横浜に育った者として、伝統あるクラブに関われる仕事ができるのは光栄だと思いました。一方で、J1リーグでの順位が低迷しているチームのスポンサーをするのは大変かもしれないな、とも。 横浜に住んでいるサポーターは「比較的温和な人たちが多い」と聞いていましたが、はたして本当だろうか……とか。

いろいろなことが頭の中でぐるぐる回って、結論「やるしかない」と思い立ったのですが、今では「やって本当に良かった」と思える興奮と喜びを体験できました。

横浜F・マリノスに携わる中で感じたこと

▲娘にもユニフォームを購入して家族ぐるみでマリサポ化を試みました。娘はマリノスケが大好き

広報としての自分とマリサポとしての自分、その両方を大事にするようにしています。会社の代表として見られているという目線は気にしつつ、浜っ子の自分は「オウルテックのアンディ」としても認めてもらいたい、そんな気持ちです。

会社の代表だから変にかしこまっていると「スポンサー企業の広報している安藤さん」という存在になると思っていました。だから素の自分をもっと出して、他のマリサポさんたちに「オウルテックのアンディさんは友だち」と思ってもらいたかったんです。だから、スポンサーなのにこの人ちょっとおかしいなって思われた方もいらっしゃるかもしれないですね……(笑)。

後々振り返ると「やって良かったな」と思うことしか浮かばないのですが、マリサポ1年生として活動している最中は苦難が多かったです。

まず最大の苦難ですが、いきなりマリサポ1年生として「沼」に入ったことで、家族には迷惑をかけたなと思っています。昨年までは毎週土日はどこかに出かけていたのが、今年は週末にDAZNを観ているかスタジアムに行ってばかりで、どこにも家族で出かけなくなってしまったので……。

でも最終的にはマリサポさん主催の飲み会に妻とふたりで参加させていただき、妻の理解も得てうまくやれるようになりました。最近は応援に行くのもスムーズです(笑)。

それから、スポンサー企業の広報としてどのように活動して良いのか右も左もわからない中で、どうしようかと戸惑い……。でも、2019年1月13日の新体制発表会から、一緒に寄り添って準備していただいた横浜マリノスの佐々木さんがいたから、3月2日のホーム開幕戦も無事乗り切れたと思います。

とくにそのとき苦労したのは、スタジアムで流すCMです。当時は今のようにマリサポさんの仲間もいない状態でしたので、独自でリサーチしてみました。そしたらテレビ神奈川で放送しているキクマリこと、キックオフマリノスの中でMCをされている小山愛理さんがサポーターに人気だということを知って、さまざまな関係者に協力してもらい、小山さんを起用したCMを自社で制作しました。

また、マリサポ1年生で応援方法にも苦労しました。最初のベガルタ仙台戦は試合を見るというより、「オウルテックデー」の進行など、裏方としてあっちへ行ったりこっちへ行ったりてんてこ舞いでした。応援するというより「幹事」って感じでしたね。

そんな中、時間を見つけて恐る恐るゴール裏へ行ったんです。N15の入口から入ったのですが、良い意味で「酒臭いな(笑)」っていうのが第一印象。その先のN14やN13のバンデーラの中は全員サポーターが飛び跳ねていて勢いがありました。

そこからきちんと応援の仕方を学ぼうと想い、YouTubeを見たり、チャントの歌詞を勉強したりと自主的に頑張りましたね。なかなか難しかったですが、何回かスタジアムに足を運んで行く中で親切なサポーターの方にいろいろ教わり、現在もマリサポとして調教(笑)されています。感謝しかないです。

苦難を乗り越えたから今があるので、社長の東海林にはスポンサーになってくれて感謝ですし、担当として頑張ってやって良かったなと思います。仕事関係なくずっとマリノスサポーターになろうと決めました。

サポーターと一緒に楽しむのをこだわる

▲私も瀬谷高校です

スポンサーとして、ひとりのサポーターとして真摯に向き合い寄り添って「共闘」すると、ホーム開幕戦の後でオウルテックSNSの中の人「卍さん」と一緒に誓いました。

それからはオウルテックのものづくりと同様にユーザー目線を大事にするため、サポーター目線で活動することにこだわりました。

どのようにしたらクラブが盛り上がってサポーターが沸くような活動ができるのか常に考えながら、自分も楽しめるように仲間を増やす感覚でいます。

「沸騰ミーティング」は、中でも重要なイベントだったと思います。当社は2回沸騰ミーティングを開催して、1回目はコアなファンサポーター中心、2回目は幅広い層の女性サポーターと一緒に沸騰しました!

その結果。いろいろなチームへの想いやグッズのアイデアが聞けたり、LINEでつながったりできて、有意義な時間だったと思います。LINEグループで連絡をしたり、商品のアイディアを聞いて商品化の参考にしたりしています。

クラブの想い、サポーターの想い、スポンサーの想い、それぞれの視点でいろいろな考え方があり、商品企画に携わる者としては良い経験になりました。

中でも印象に残っているのは、キャンペーンを通じて高校の先輩マリサポさんと出会ったことです。キャンペーンの当選連絡をしようとインスタを見たら、「私も瀬谷高校です」と書かれていたのを見つけて、私も瀬谷高校ですとお伝えしました。そこから、じゃあスタジアムで瀬谷高OBマリサポを集めて……といった流れで、いろいろなマリサポさんをご紹介いただくことになったんです。

スタジアムが私にとって最高の場所になったのは、間違いなくこの先輩のおかげです。

この出会いが最大のターニングポイントになったんじゃないかと思えるくらいです。以降はマリサポさんのフットサルへ参加させてもらったり、飲み会に参加したり、BBQに呼んでいただいたり、時には私の家に招待してバーベキューしたり……、マリサポ仲間が本当に増えましたね。

一番かけがえのない存在は仲間だと思うので、先輩には本当に感謝です。人とのつながりって本当に大事だなと学びました。母校が瀬谷高校で良かったと思えた瞬間です。

マリサポ×スポンサー活動=共に闘う仲間を増やす活動

▲一番最初の沸騰ミーティングの様子。みんなでユニフォームを着て参加

今期のスポンサー活動をやってみて、商品説明をして商品を売るよりも、企業理念や姿勢などに共感してもらい、同じ目線で価値を共有できる仲間を増やした方いいなと思いました。その方が自分も嬉しいし、相手にも喜んでもらえる関係性になります。

今ではマリサポさんが商品を「買ったよー」ってSNSに投稿してくれるのが何より嬉しいんです。商品の認知度向上ももちろん大切ですが、今はスポンサーとしてマリサポさんに寄り添い、「オウルテックは横浜F・マリノスにとって良いスポンサーだ」と認めてもらえるようにもっと頑張りたいです。

来年のホームゲームはすべて見に行きます。車で行ける距離のアウェイも全試合行けるように、家族サービスも頑張らなきゃいけないですね(笑)。

将来的には「オウルテックのアンディ」さんから、「あ~あの人、スポンサーの人なんだけどガチマリサポで沼にどっぷりな人」って言ってもらえるように、マリサポ2年生3年生と、死ぬまでトリコロール目指します。

相手のコトをとことん知って、想って、何か行動するのはものづくりでも一緒のことです。商品企画に携わる者として、今後も真摯に寄り添っていきたいと思います。

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