全国15拠点とつなぐ。北海道人口12万人の都市から上場企業を支えるコールセンター

人材アウトソーシングで多様なサービスを展開しているエスプール。設立当初より行っている人材派遣事業は今でも主力事業のひとつである。その成長を影で支えてきたのは、北海道北見市という人口12万人ほどの都市にある募集センターだ。東京本社から遠く離れた地で、東証一部上場企業を支える社員たちの素顔に迫る──。

月間1万人の求職者と企業を支えるコールセンター、北見にあり

▲オホーツク圏最大の都市・北見市

高齢化社会や障害者福祉、子育て支援制度の不足など、社会課題が多様化する現代。エスプールは、こうした課題を解決するためにさまざまな事業を展開している。

たとえば各地方自治体と連携しながら雇用創出を支援する「OMUSUBI」。これは人材課題で困っている企業様の悩みを解決するためのサービスだ。

この展開にあわせ、エスプールは北海道や宮崎県、徳島県など、全国6拠点にコールセンターを構えている。こういった地方都市のコールセンター進出の先駆けとなったひとつの拠点がある。人材派遣事業を行うエスプールヒューマンソリューションズが、北海道北見市に構える北見募集(事務)センターだ。

北見市は、東京から北へ約1400kmのところにあるオホーツク最大の都市。羽田空港からは約2時間、そしてさらに車で1時間のこの場所は、道内で最も広い面積を誇り、農業や漁業が盛んで、雄大な自然に囲まれた暮らしができる地域だ。

カーリングが盛んで、「カー娘」が所属するLS北見の練習拠点があったり、日本有数のホタテ、玉ねぎの産地であったりと、食糧生産基地、物流・ビジネス拠点都市として発展している。

そんな北見市から積極的なコールセンターの誘致を受けたのは、2004年ごろだった。

北海道内では比較的温和な気候であるという環境の良さや人材の豊富さ、そして当時の北見市長より熱烈なオファーを受けたこともあり、この地域にコールセンターを構える事となったのだ。

センター開設から15年。2019年現在では、全国15拠点の求人応募──月間9000件~1万2000件にも及ぶ応募受付業務、そして就業時に使用するプロフィールシート作成などの業務を担うまでとなっている。

もちろん、これまでの歩みは決して平たんではなかった。いったいどのような人が、どのような想いで働いているのか──。

日々マネジメント業務や各拠点との連携、実際のオペレーション業務を行う上村恵美と岩田勉の2名から見えてくる「大切にしている価値観」に迫る。

小さなきっかけから大きな活躍の場へ。“窓口”をけん引するふたりの存在

▲センター長を務める上村恵美

あらゆる場面において、第一印象はその後の結果を大きく左右する。それは採用活動においても同じだ。不安な気持ちで応募をしてくる求職者をいかに安心させ、面接の場まで誘導するかは非常に重要である。つまり、求職者からの一本の電話に対し、どのような対応をしているかで採用が大きく変わるのだ。

そんな企業の「窓口」とも言える重要な役割を担っているのが、北見募集(事務)センターである。2019年10月現在、13名の社員が勤務している。オペレーターの年齢層は幅広く、コールセンター未経験からスタートしたメンバーも多い。

センター長としてメンバーの管理をしている上村も、中枢としての役割を果たす岩田もコールセンターは未経験からのスタートであった。入社理由について、こう振り返る。

上村 「入社前は新聞社やスーパーでの勤務をしており、仕事を転々としていました。正直、元々電話業務に抵抗があって、何となくで応募しました。2007年のことです。それがまさか、こんなに長いご縁になるとは思っていませんでした(笑)」
岩田 「前職時代に脊髄を損傷してしまったため、しばらくの間、仕事から離れていました。事故から 5年たった 2011年に自分に出来るオフィスワークの仕事を探し始めたのですが、そのときに出会ったのがエスプールだったんです。ハローワークにエスプールの求人がずっと出ていたのが気になって、興味本位で応募しました(笑)」

当時は軽い気持ちで応募したふたりであったが、上村は今やセンター長として活躍をしている。また、岩田はオペレーター業務だけでなく、新人の教育やサポートまで行う。さらに、仕事面以外でも車椅子カーリング日本選手権で優勝に貢献するなど、公私共に幅広い活躍を見せている。

一般的にコールセンターは離職率が高いと言われる職種であり、3カ月で50%もの退職者がでる職場もある。そんな中、未経験からスタートしたふたりがここまで活躍をするようになれたのはいったいなぜだろうか。

その理由について、ふたりは口を揃えて「周囲のサポート」のおかげだと話す。

特別な教育プロセスではない、当たり前のことを当たり前に

▲中心的な役割を担う岩田勉

近年、採用のトレンドワードに「オンボーディング」という言葉がある。

新しく入社した人が、文化や仕事の進め方に慣れるための教育プロセスの事を指しているが、要するに「今いるメンバーと新しく採用した人をどのように統合するか」ということだ。入社してからは誰しもが壁にぶつかる。そこからの早期離職を防ぐための仕組みである。

上村も他の人と同様に入社後、不安に陥る事や苦労する事が多かった。しかし、それを乗り越えたのは周囲のサポートがあったからだと言う。

上村 「入社後、初めて対応した電話がまさかのクレ―ムで、相当落ち込んだのを今でも覚えています。でも、そのときの上司がすぐに『大丈夫だよ』と声を掛けてくれたんです。うまくいかないときは、いつでもそばで励ましてくださって。

小さな拠点なので、本当に些細な事、ちょっとした事もよく見ていてくれていたんですね。その言葉を聞くと本当に大丈夫な気がしてきて、安心して取り組むことができるようになりました。

他にも、センター長になったばかりの頃、受電率の目標が 80%であるのに対し、60%にまで落ち込んだことがありました。当時は何も考えずにただひたすら目の前の業務に集中していましたが、そんな時でも周りは常に気遣い、サポートをしてくれていました」

岩田も同様に、これまで助けられる場面は多くあったと振り返る。この経験は岩田の信条をつくり上げた。

岩田 「残業が続く日々もありましたが、いつも周りの人がサポートしてくれました。入社当時は慣れない環境で毎日必死で気がつかないかったのですが、今思えば上村さんはじめ、他の先輩からさり気ないフォローをしていただきました。

私自身がそのようにしていただいたからこそ、普段から時間のあるときは雑談したり、一緒にご飯を食べたりしています。日頃の何気ないコミュニケーションを大切にすることが大事なんですよね。普段からいい関係を築いているからこそ、困ったときはお互い様で自然と助け会えることが出来ているのだと思います」

北見募集(事務)センターには多くの企業が取り組んでいるような定着支援や即戦力化のための特別な教育プロセス──つまり「オンボーディング」の仕組みは一切ない。

しかし、そこには当たり前なのになかなかできない、お互いに対する配慮があった。 そして、自分が受けてきたサポートを周りに還元するという文化が根付いているのだ。

それはエスプールが大切にする「人の成長を本気で支援する」ことにも通じている。

変わりゆく環境の中でも変わらない価値観

▲「お互いに対する配慮」を欠かさない、風通しのよいセンター(右から二番目が上村、一番左が岩田)

2004年のセンター開設から約15年。穏やかな語り口で淡々と話す上村と岩田だが、これまでの歩みは平たんではなかった。

現在の形になるまでには、IT人材教育会社の事務作業をアウトソーシングで行ったり、リテール業務を行ったりしていた。そこでは急遽メンバーが他の業務にかり出されることも少なくなかった。

しかし、煩雑な業務の中ではミスが多発し、ミス率が50%にまでなったことも。その際は、東京本社の募集管理室長から直接、「このままでは任せられない」と厳しい指摘をうけたと言う。

さらに現在の主業務である求職者の方からの応募受付対応についても、さまざまな変化があった。以前は短期や単発派遣の求職者が多数だったが、派遣法改正や会社の規模拡大にともない、長期就業を希望する求職者が増えてきているのだ。 それに合わせて、トークスクリプトの変更や運用の見直しを行い、全国15拠点からの求人応募を円滑に対応しているのだ。

このようにセンターを取り巻く環境は日々変わっている。

一方で、笑顔が絶えないふたりの姿からはセンターの風通しの良さ──移りゆく時の中でも変わらない価値観が見える。

上村 「とにかくスピード感のある会社。私個人としてもですが、メンバーに対しても柔軟性を常に意識してもらっています。今後もあらゆる変化に対応できるようにメンバーの成長を支援していきたいですね。メンバーの成長こそが、私のやりがいでもあるので」
岩田 「お客様からの『ありがとう』という言葉を聞くたびにやって良かったなと思います。その言葉をより多く聞くためにも、北見らしくもっと楽しく盛り上げていきたいですね」

コミュニケーションの大切さを経験から人一倍理解している彼女たちは、間違いなく応募受付のプロフェッショナルである。

北海道から会社を支えているふたり。これからもそのコミュニケーション力でエスプールを盛り上げていくだろう。

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