離職率が大幅に改善──取り組んだのは、「ダイバーシティ経営」

士業・師業に特化したハンズオン型総合コンサルティングを展開するスタイル・エッジグループ。創業以来、増収増益で成長してきましたが、2016年ごろから離職者が増え、経営課題に。今回はダイバーシティ推進室の責任者でもある執行役員人事部長の花咲が、どのようにこの課題の解決を図ったかについてご紹介します。

離職率が悪化……復活のキーは「多種多様な人材の活躍」

▲執行役員 人事部長でダイバーシティ推進室の責任者でもある花咲

スタイル・エッジグループ(以下、SEG)は、弁護士や司法書士、税理士、医師といった士業・師業に特化したハンズオン型の総合コンサルティング事業を展開しています。

コンサルティングの範囲は特定の分野に限定しておらず、「事業計画」「ITインフラ構築」「マーケティング」「営業」「PR・ブランディング」「採用」「組織マネジメント」と多岐にわたり、クライアントの経営に欠かせないあらゆるノウハウを法令遵守のもと、ワンストップで提供するビジネスモデルとなっています。

弊社は日々ビジョンである「80億の人生に彩りを。」に基づき、社会課題の解決に貢献しています。具体的には弁護士や司法書士、税理士、医師といった知的スペシャリストと、悩みを抱える方々をつなぎ、知識格差の是正に努めています。そうすることで、「悩む人の明日をひらく。」というミッションの実現を目指しているのです。

市場環境としては、競合がほとんどいないブルーオーシャン戦略のもと、2008年の創業以来、増収増益で成長してきました。しかし、2016年ごろから離職者が目立つように。

その結果、増え続けるクライアントのニーズを質・量ともにカバーすることが難しくなり、機会損失によるサービスクオリティの低下という経営課題を感じていました。

ハンズオン型の総合コンサルティングというビジネスモデル上、多種多様な人材の活躍が重要であり、離職率の改善は企業価値向上のためのキーでした。

「働きやすい環境づくり」と「人事考課制度の刷新」

▲社内託児所では専任の保育士が活躍しています

綜合コンサルティング事業を展開するSEGでは、多様な人材が最大限パフォーマンスを発揮できる環境を整えることを「ダイバーシティ」と定義づけました。

SEGにおいて「ダイバーシティ」がスタートしたのは、創業8年目のこと。従業員数が50名を超えたばかりの2015年、社内託児所の設置を手がけたころまでさかのぼります。女性社員のひとりが待機児童問題により仕事へ復帰できなかったため、社内に託児所を設置することで問題の解決を図りました。

この取り組みがひとつの成功例となり、従業員の誰もが働きやすく最大限パフォーマンスを発揮することのできる環境づくりとして「ダイバーシティ経営」を推進していくことに。

そして、「働きやすい環境づくり」と同時に、離職の原因のひとつであった「人事評価に関する、会社と従業員間の認識の相違」にアプローチするため、人事考課制度の刷新を図りました。以前から人事考課は行っていましたが、自己評価と会社の評価が一致しないケースが見受けられることも。

その結果、互いの目指すベクトルがずれ、パフォーマンスを発揮しきれない従業員が離職につながっていたのです。

最大限パフォーマンスが発揮できるよう人事考課制度を刷新

▲スタイル・エッジグループの全体像

新しい人事考課制度ではシステムを導入し、項目を定量化しました。それによって、コミュニケーションの時間を増やし、納得のいく評価が実現できるようなしくみづくりを目指したのです。具体的には人事考課の対象を「数字面・能力面・態度面」の3つに分け、目標設定と評価を、上長と人事部長が同席する形で、面談を通じて行うようにしました。

また3カ月に1度、中間面談という目標を見直す場を設け、必要があれば軌道修正できるようにしました。これらの面談を通じてまず本人の「現在地」を把握し、今度はそれに基づいて翌半期の目指すべき目的地について話し合います。現在地と次なる目的地、そしてそれらを決定するプロセスにおいて本人、上長、会社の三者間でしっかりと擦り合わせを行います。

それにより、最終的に自己評価・上長評価・会社評価の3つが認識のズレなく一致し、課されたミッションを果たすことが、ダイレクトに評価にひも付くしくみに一新されました。これによって、社員一人ひとりが最大限パフォーマンスを発揮できるようになったのです。

もうひとつのアプローチである「働きやすい環境づくり」では、社内託児所の継続的な運用をはじめ、厚生労働大臣から子育てサポート企業として「くるみん」の認定と、女性の活躍推進が優良な事業主として「えるぼし」の認定を取得しました。他にも従業員の健康に配慮した経営を心がけ、経済産業省より健康経営優良法人の認定を受けました。

そして、職種ごとの働きやすさの実現を目指し、グループ会社化にも踏み切ったのです。システムエンジニアに関しては、グループ会社である株式会社スタイル・エッジLABOに。人材支援職に関しては、株式会社スタイル・エッジCAREERの雇用とすることで、職種ごとに最大限パフォーマンスが発揮できる環境づくりをスタートしました。

従業員が働きやすい環境づくりをすることは会社にとって相乗効果しかない

▲創立10周年の全社会で今後の事業展開について語る代表の金弘厚雄

このようなさまざまな取り組みの結果、2016年期には22%であった離職率が2018年期には12%にまで改善しました。そして、取り組みの成果は離職率の改善にとどまりませんでした。

空前の売り手市場であり人材採用難の中、新卒・中途あわせて2016年から2018年の間に、74名の多様な人材の確保に成功。平均勤続年数が男女ともに設立10年にも満たない段階で3年を超え始め、人材の定着にも良い成果を生み出しました。

そして、2016年の取り組み開始以後も増え続けていたクライアントのニーズに対し、質・量ともにカバーすることができ始め、機会損失によるサービスクオリティの低下という最大の経営課題を防ぐことができました。

その結果、ビジネスが拡大し、本業である士業・師業に向けたコンサルティング事業以外にも、新規事業への投資が可能となりました。それによって、事業領域が広がるなど、総合的な企業価値の向上が果たせるようになったのです。

「ダイバーシティ」の推進によって、従業員が働きやすくパフォーマンスを最大限発揮できる環境がつくられ、クライアントへのサービスのクオリティ、さらには顧客満足度も向上するといった考えに基づいています。したがって、従業員が働きやすい環境づくりをすることは、会社にとっては相乗効果しかない、と私たちは考えています。

今後も引き続きダイバーシティ経営を推進し、さらなる離職率の改善と企業価値向上に努め、企業理念「80億の人生に彩りを。」とミッションである「悩む人の明日をひらく。」を実現していくつもりです。ビジネスを通じて、社会課題の解決に貢献することが重要だと感じています。

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