デビュー当時の輝きを取り戻せ。長野県昼神温泉で令和最初の復活ストーリー

平成29年6月号にて掲載が始まった長野県昼神温泉の「懐石と炉ばたの宿 吉弥」。新登場から4版展開と華々しいデビューを遂げる。ところが、翌年以降は売上げが減少し、まさかの崖っぷち。絶体絶命の状況の中で復活に臨んだ、「懐石と炉ばたの宿 吉弥」さまとの取り組みを紐解く。

2017年度長野県TOP3の人気宿。3年目にして顕在化した異変

▲山あいに広がる閑静な温泉地「昼神温泉」の人気宿。美人の湯と名高いトロトロとした肌触りの泉質が特徴

「懐石と炉ばたの宿 吉弥」の掲載が始まったのは、平成29年の6月号。 こだわりの懐石料理や心のこもったおもてなしで、元々エリアでも人気の高かった同館。

シニアの顧客を多く抱えるゆこゆこの特性を生かし、50歳以上はお得になるプランを販売したところ、4月後半からの販売開始ながら、2017年4月〜2018年3月の初年度にしてなんと長野県の予約件数TOP3に入る人気ぶりを見せたのである。

また翌年度は送客実績を落としながらも、堂々の5位。シニア向けプランで売上げを伸ばした成功例として、社内でも抜群の知名度を誇った。

しかし、不調の兆しは2019年度に入って本格化する。というのも半期を迎えた時点で県下13位、昨年対比にして64.4%に下がってしまったのだ。デビューから一貫して売上げ上位を達成してきた同館にとって、3年目にして訪れた初めての危機であった。

しかし普段のやり取りの中でゆこゆこ担当営業其田の不手際もあり、状況は好転せず。

「ちゃんと上司に報告して、解決策とか今後についてを示してほしい」──若女将の中島さまより投げかけられたこの一言が、プロジェクトのきっかけとなる。

見えてきた低調の原因。それに対する打開策とは

▲手入れの行き届いた木々が迎える正面入口。夕暮れ時にはあたたかな灯りが広がる

吉弥の送客実績の低下には、ふたつの要因がある。

ひとつが企画力の低下。旅慣れたゆこゆこの会員誌ユーザーは価格の変動に敏感で、同じエリアからいくつかの宿を相対的に評価し決断する傾向にある。

そのため、安易に客単価を上げようと「付加価値のない値上げ」をすれば、瞬く間にお客さまは離れていってしまうのだ。

吉弥の場合、掲載当初からお得な特典を多数ご提供いただいているが、数百円単位の値上げと同エリア競合他社の台頭によって集客力が下がり、それに付随して、初年度オール5であった口コミは、4.5へと下がってしまった。

そしてもうひとつは、お客さまへの喚起力の低下にある。最初は「新登場宿」と注目されていても、時が経てばその宿の地の力で勝負しなければならない。

そのとき鍵になるのは「プランの内容自体の魅力」「プランを紹介する写真の魅力」である。吉弥は食事・温泉・お得な特典など、喜ばれる要素は昔から提供し続けているが、お客様がそれを知らなければ意味がない。

魅力をよりお客さまに伝えるのはゆこゆこ、ひいては営業担当の腕にかかっている。数カ月の間、目新しさのない原稿制作をしていたことも、売上が減少した一因である。

お客さまを喚起し続けるには、常に魅力的なプランの造成と、それを最大限に引き出す写真素材の確保に努めなければならない。

上司と相談した其田は、マーケティング部でWebコンテンツを担当する伊藤・村上とともに、吉弥への宿泊体験記事と写真・動画素材を入手するための取材敢行を決意する。

まずは撮影した写真と動画を誌面・Web上で展開することで、 より多くのお客さまに注目していただく。そして、気になって目を留めていただいたお客様に、宿泊体験記事によって吉弥の魅力を最大限にお伝えする。この2段構えの施策によって、事態の打開を目指した。

取材撮影始まる。満点の星空に迎えられて

▲星空で有名な昼神温泉。地元観光局が主催するナイトツアーは毎回好評で、多くの観光客で賑わう

取材日は2019年8月26日(月)に決定した。

ゆこゆこからは営業担当其田、其田の上司の荒木、マーケティング部村上、そして代表取締役・吉田の4名、ライター勝又様・撮影杉本様・青柳様を加えた計7名での出張となった。

星空の撮影も予定していたので、「新月」の日を狙って取材日を調整した。迎えた当日は晴天にも恵まれ、絶好の撮影日和のなか取材がスタート。

撮影・取材は若女将をはじめとした吉弥スタッフ全面協力のもと、順調に進む。

普段の出張の限られた打ち合わせの時間では話せないような内容も、取材を通してじっくりと話すことができた。普段は「吉弥単体での集客」が会話の中心となるが、今回は「昼神温泉全体の様子や、各旅館同士の横のコミュニティの状況」などを伺えた。

其田「組合の中で仲たがいが発生していたり、横の連携がほとんど存在しない温泉地も多いです」

一方で、各旅館の社長同士はもちろん、その下の世代が集まる会議等も定期的に開催され、横のつながりが強い昼神温泉は大きなアドバンテージを持っている。

若女将の名刺を見ると、「昼神温泉 女子旅★推進委員会委員長」という肩書も。

其田「吉弥さま単体への貢献はもちろん、昼神温泉全体の魅力発信と集客貢献にもつながる施策にしていきたい」

取材終了。V字回復に向けて動き出す

▲ゆこゆこHD 代表取締役 : 吉田 周平(左)、懐石と炉ばたの宿 吉弥 若女将 : 中島 美香様(右)

夜は星空撮影、朝6:00には昼神温泉朝市の撮影とフル稼働し、チェックアウト時間頃には取材終了。お泊りのお客さまがいない間を見計らいながら、うまく撮影することに成功。

其田 「同じお風呂の写真でも、撮影した時間によって雰囲気がガラッと変わります。お客様を飽きさせない原稿制作につなげることができそうです」

お忙しいなかご協力いただいた若女将の中島さま、吉弥のスタッフの皆さま、誠にありがとうございました。このコンテンツをきっかけに、ご送客人数を回復できますように。

当日撮影した動画はこちらからご覧ください。宿泊体験記事はこちらからご覧ください。

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