窮屈に感じてちょっと反発していた就職活動

▲現在出向中の株式会社MTI(Monohakobi Technology Institute)の前で

自分は、就職活動になった途端に「よーいドン」でやりたいことを決めなければいけない雰囲気に窮屈さを感じていました。こんな短期間で自分のやりたいことなんて見つけられない、でもどうしよう……そんなときに出会ったのが郵船のジョブローテーション制度で、これなら働きながら自分のやりたいことを探せるんじゃないか、そう考えたんです。

晴れて入社してからは、燃料炭グループという火力発電用の石炭を運ぶ部署で船の運航に3年ほど携わり、その後自動車船グループではコストや契約管理、予算作成などを1年経験して。後半2年間はヨーロッパ向けに自動車を運ぶ営業をしました。そこから1年すこしの育休を明け、現在はMTIという郵船の研究開発機関に出向しています。

今いるMTIに来る前、船を扱う部署が続いてそれはとても良い経験でしたが、自分のキャリアとしてはちょっとおもしろみがないなと感じていました。もともと郵船を選んだのも、船だけではなくて、内陸物流や航空貨物も舞台としているところに魅力を感じたからだったので。そこで次のキャリアを想像したときに、「技術」というキーワードが降りてきたんです。

人とはちょっと違うことをしていたい、そこで気が付いた「技術」への憧れ

▲研修で船に同期と乗船した時の一枚

郵船の技術が取り上げられていたテレビ番組を偶然見たことや、船の技術を楽しそうに話していた先輩の姿から「技術」というキーワードが自分の中で刺さった、という感じでした。

というのも、人と同じではなくてちょっと違うことをしていたいという想いはずっと自分の中であって。

高校生のとき、新しく来た英語の先生が自己紹介で「私は変わっていると言われるのが大好きです」と言ったんです。最初は何を言っているんだろうと驚きましたが、すぐに、私もそうかもしれないと思いました。

高校生って、出る杭は打たれるし、けれどもどこか尖がっていたいっていう難しい時期かなと思うんですけど、そういう時期にその先生のひと言に出会えたことで、自分の気持ちに気が付くことができて。少し救われた気がしました。変わっているといっても、すごく変わっているのはそれなりに勇気がいるし疲れてしまうので、ちょっと変くらいがちょうどいいです。

自分はそういう先生との出会いもあり、ささいなひと言でも人の心を動かすことができるんだなと思いました。そして人の心を動かしたり、誰かのモチベーションになったり、そういう言葉ってどうやったら生まれるんだろうと考えたときに、豊かで深みのある経験が必要なのではないかなと。

そういった経験をすることによって、多くの人の心にそっと寄り添える、そんな言葉をさらっと言えるような人になりたいと思っています。人のために何かしたいと思うことが多いんですけど、要は承認欲求が強いんだろうなと最近感じています。

船はバラスト(※1)がないと安定しない、みたいな言葉があるんですが、ある程度何かしらのプレッシャーがないと、自分らしいパフォーマンスは出せないなと思っています。そう思うと多少苦しい状況も前向きに捉えることができるので、偉人の名言だけではなくて上司や同僚、後輩、お客様の言葉も含まれるんですが、そういう言葉に支えられているんです。

みんながやっていることを自分もできるようになるというのはすごく大事だとは思いますが、それ以上に、逆張りとしてみんなが興味のないことを積極的にやっていくことの方がおもしろいと思っています。

一度きりの人生だから普通の人生は嫌、パンチのある人生を歩みたいですね。

(※1)バラスト・・・船体を沈めて安定させ、航行しやすくするために必要となる重しのこと。

「技術」を扱う仕事へのチャレンジと自己成長

▲現在の職場風景

MTIへの出向は「技術」に関わりたいという希望が通った形になったのですが、コーディネート側に回るのかと思っていたら、BIツールやプログラミング言語を使ってビッグデータを分析したり、最適化問題を考えたり、きちんと自分の手を動かしながら仕事をしています。日々新しい技術や考え方に触れることができるので、もちろん勉強しなければいけないことも多いですが、とてもやりがいを感じて働いています。

だからこそ技術の中の人間として何かを持ち帰って、郵船に還元していきたいと強く思っています。ただ、持ち帰ってきてから何かを始めるのでは追い付けないくらい技術の進歩が速すぎるので、自分がいろいろ発信することでもっと仲間を増やしていけたらと、そういうことも考えていますね。

理系ではないですが、前の部署で培った海運会社のビジネスの経験を生かすことで、研究開発をより実務を意識したものにできればと考えています。小さなことですが、研究をしていると「これってどうなのかな」って郵船の人に聞いてみたいけどちょっと聞きづらいことって、どうしてもあると思うんですね。

そういった隙間を埋めるとか、実際に自分が手を動かしてデータを分析するときも、これまでの経験や知識と照らし合わせながら進めることでより深みのある分析にできるのかなと。

今はまだ船周りの研究が中心なので、欲張りですが自分の中ではまだ物足りなく思っています。郵船は若手から裁量のある仕事を任せてもらえると感じていますが、そういった責任感のある仕事に取り組んでいく中で、自分の原動力が、「人のために頑張りたい」、「人にありがとうと言ってもらいたい」というところにあると気付きました。

そういった人の気持ちにこたえていく経験をしたことで、学生のときよりも想像力が成長してきているかなと。なので、今後はお客様の悩みを解決する新しいソリューションをつくるとか、そういったこともトライしていきたいなと思っています。

また、ジョブローテーション制度を通して感じるのは、自分がやりたいことだけではなくて、そこには人から見た適性も考慮されるということです。そうすると、自分では気が付くことができなかった新しい側面に気が付けて、さらに自分の幅を広げられるんじゃないかなって思っています。

郵船は人を育てようという意識がとても強い会社だと思っていて、みんな希望をかなえる人事はなかなか難しいとは思うんですけど、いろいろな仕事をさせてもらっているのは事実なので、すごくありがたいです。

郵船と自分の未来

▲息子とフネ活として船が見えるところに行った日

船だけじゃないと思っているのは、以前の中期経営計画「More Than Shipping」の影響も受けていると思います。そして心からそう思えているのは、郵船に良い人がいるからかなと。

もちろん船の会社だから船は大切ですが、時代の変化と共に船以外のことにも取り組まなくてはいけない、そうなったときに、この人たちとだったら何かおもしろくて社会のためになることができそうだな、と思えるかどうかってとても大事だと思っています。

一方で人が良いといったけれども、ちょっと保守的というか……。新しい時代の変化に適応できる能力はあるのに、思考が保守的で腰が重い部分はまだ少なからずあると思っています。中期経営計画で「Digitalization and Green」を掲げているからには、郵船としてきちんと推進していくこと、具体的にはデジタルを自分の武器として個々が持つことが大切ではないかと考えています。

そしてこれはすべてブーメランとして自分に跳ね返ってくることでもあるんですが、すばらしい技術を差別化の原資としてきちんと使っていかなければいけないなと。

研究もストーリーというかロードマップというか、そういう大きい絵を描いた上で自分の位置づけを確認しながら進めることが重要だと感じています。社内からも社外からも魅力的で、おもしろいと思ってもらえるような技術ロードマップを描くことが、これからもっと会社に求められてくると思うので、自分も貢献していきたいです。