「自分自身が変われた原体験」から人財育成のプロを目指した

▲新卒同期と社内イベントでの一枚(写真右が鳥居)

新卒一熱い男──ひとは彼の印象をそう語ります。入社したい理由をラブレターに載せて書き、採用チームへの想いを伝えたその人物は現在、人財育成の責任者として働いています。

ホテルやレストラン、ウェディングなどの施設の企画運営、コンサルティングを事業展開しているポジティブドリームパーソンズ。『すべての人に“感動”を』と謳っている当社では、実際に感動を技術化し、現場で感動を生み出しています。その魅力を成し続けて事業を大きくするには、感動を生める熱量ある人財を育てる必要があります。そうした中、熱量高く第一志望で新卒の募集に応募してきたのが、鳥居 遼一でした。

鳥居 「ポジティブドリームパーソンズには社会にインパクトを与えられるワクワク感がありました。入社前に人財開発室のメンバーと触れ合ったことで、ますますその想いは強くなりましたね。役員と代表の前で臨んだ最終選考では『この場で内定をください』と熱烈にアプローチをしたほどです」

これほどまでに熱心な理由は、鳥居の学生時代の原体験にあります。サッカー部で指導者に恵まれ、自分自身が変われた経験が心にずっと残っていました。それ以来、教育者になりたいとの気持ちを持ち続けて、「次は自分が組織に対して同じ貢献をしたい」と考えていたのです。

人財や組織の開発に携わりたいと思って入社した鳥居ですが、本社に勤務するにはまず現場を知る必要があります。そのため、初めは長崎でウェディングプランナーとして従事することになりました。ところが、プランナー時代にいきなり大きな挫折を経験。クライアントである新婦さんとのわかり合えないコミュニケーションや困難に直面します。

鳥居 「メインでプランナーとして携わった新郎新婦の、とくに新婦さん側にウェディングへの強いこだわりがありますから、私が男性ということで信用してもらえないこともしばしば……。女性のドレスの体のラインの話、などわからないことだらけで。そのときに自分が得た経験は、今の研修やしくみづくりに生かしています」

マネージャーになる若手にはビジョンや意志が必要だ

▲内定式にて人財開発室メンバーと(写真前列右)

入社して1年半後の2016年5月、鳥居は社内のジョブローテーション制度を利用して希望を出し、念願の人財開発室へ異動しました。

まずは新卒採用の媒体運用からスタート。リクナビやマイナビなどの求人広告媒体に、どんな記事を掲載すればどれほどエントリー数が上がるのか、などの試行錯誤を繰り返しました。また、ブログを地道に更新して順位を上げる施策を行ったり、合同企業説明会などに登壇し、学生たちの面前で当社の魅力を伝えたりもしました。その後ユニットマネージャーを経て、2019年現在まで鳥居は、エリアマネージャーなど10数名のメンバーを束ねるGM(ゼネラル・マネージャー)として従事しています。

このチームでは、全エリアにある店舗の新卒や中途、アルバイトなど全職種の採用をすべて担っているのです。新卒は年間で60名ほど、中途採用で200名ほど採用します。それだけの人数を採用する中、辞めていくメンバーも。当然、メンバーが離れていくことに課題を感じていました。

鳥居 「離職理由はいくつかに分解できますから、一つひとつの課題を解決していきましたね。たとえば、労働時間の問題は制度で補う、人間関係の問題は配属の前にお互いの相性を見るなどですね。無理が生じる場合はすぐに解決し、石の上にも 3年的な、我慢を強いる価値観はやめる方向で進めています」

ネガティブな要素を解決することと同時に、ポジティブな変革も必要でした。

鳥居 「今いるメンバーをもっと強くしなければと感じていましたね。私が GMになり、離職率を減らすというよりも、マネージャーになる若手にはビジョンや意志が必要だと思うようになったのです」

外部のマーケットと、社内のチームビルディングの両軸で学ぶ

▲自らの意志を持って参加する「マネージャー養成プロジェクト」が発足した

これまでの属人的なマネジメント手法に限界を感じていた鳥居。大抜てきといえば聞こえがいいものの、プレーヤーとマネージャーの間では大きな変化があり、また、意志なきまま「やらされ感」のあるマネージャーには部下もついてこない、限界だと考えていました。

そこで鳥居は、自ら立候補して意志を持って参加することを中心に据えた、マネージャー養成プロジェクトを発足したのです。レストランの店舗を展開していく予定は計画で決まっており、その現場をマネジメントできる人財の育成も目的のひとつでした。そのため、まずはキッチンとレストランサービスを担っているメンバーの中から立候補者を募りました。

対象は、新しいしくみをつくって自分で問題を解決できる、マネージャーの卵のグレードに位置づけられたメンバーたち。2019年6月に公募を開始し、第1回目は9月に開催。立候補した53名全員を参加させ、3グループに分けた上で役員などが講師を勤めました。実施するカリキュラムは、経営チームと役員と鳥居、本社の商品開発のメンバーらと練り上げていきました。

「そもそもマネジメントには何が必要なのか」から洗い出し、自社だけでなく社会全体で活躍できる人物像を理想として追求。そこから、キッチンやサービスのメンバーに適した内容をさらに精査していきました。カリキュラムは、まず自分を知らないと相手のこともわからないとの理由から、自身の働き方の振り返りから始まります。また、マネージャーとプレーヤーの違いを知るための座学、企画を立てる際の真髄などを教えました。

鳥居 「マーケットという外の社会が求めているものを知りつつ、それだけではなく、社内の人間をうまく巻き込んでチームビルディングしないと良いプロダクトはつくれない。だから外と社内の両軸で教えました。現場の経験則だけでは知り得ない視点を持つことが、より広く社会で活躍できるマネージャーには必要だと考えたんですね」

意志をもつ人間に機会を提供し育てていくことが、私たちの意志

▲現場で実践することを念頭に、臨場感を意識したキッチンの実技研修の様子

キッチンやサービスのメンバーとしてだけではなく、ゼネラリストとしての視座を持ち、ビジネスパーソンとして成長していきたい意欲がかなり高まっている手応えを鳥居自身も感じています。また、「参加したい・興味があるので詳細を知りたい」と声を掛けてくるメンバーも増えてきました。

鳥居 「部下がマネージャーと同じ視点や当事者意識を持つことで、マネージャー自身も意味でプレッシャーが掛かり、相乗効果が少しずつ生まれていると感じますね」

カリキュラムでは、現場で実践することを念頭に、いかに臨場感を持ってもらえるかを心掛けています。ワークなどで業務とのつながりを意識してもらうことで、単なる座学で終わってしまわないように、カリキュラム終了後のフォローまでを制度設計に盛り込む予定です。

2020年1月には、マネージャーになりたいかどうかの意志を確認するためのプレゼンの場を設けています。役員の面前に臨むため、昇格試験のような位置づけにあり、そこで結果が現れてくると考えているのです。ここまでを養成プロジェクトのひとつの区切りとし、次の期につなげていく予定になります。今回の施策を通じ、当社の文化として「意志を持つ人をちゃんと大事に育てていく」メッセージをメンバーに伝えたいと考えているのです。

鳥居「もし冷めてしまっているメンバーがいれば、もう一度、熱い想いでぶつかって来いよ、との想いを持ってこちらも臨んでいますから。その人らしさを輝かせて意志決定する経験が、ひいては組織の価値を最大化させる。これが、入社前から今にいたるまでずっとやりたいことです」

「誰にでも可能性はある」「働きがいは自分でつくれる」。機会は自らつくるもので、その機会によって人は成長できるもの。そんな想いに共感できるメンバーと、ひとりでも多く一緒に働きたいと私たちは願っています。